渋沢栄一の『信用経済』：合本主義で築いた新しい資本主義のカタチ

渋沢栄一の「信用で回す経済」

渋沢栄一は「信用で回す経済」という考え方を提唱しました。これは金融機関が自らの信用を基に資金を集め、それを成長が期待できる会社や産業に投資することによって、国や社会を豊かにしていくというシステムです。面白いことに、渋沢は自らの経済システムを「資本主義」と呼んだことが一度もなく、「合本主義」という言葉を用いていました。

合本主義と公益の追求

合本主義とは、公益を追求するために最も適した人材と資本を集め、事業を推進させるという考え方です。この考え方は資本主義とは異なり、公益という概念が初めから強く意識されています。渋沢栄一は、どんなに利益を追求する企業であっても、その事業が有益である限り、最終的には国や社会の利益になると信じていました。そのため、企業の利益追求を否定せず、その実現を支援しました。

論語と算盤の融合

渋沢栄一の思想の中核には「論語と算盤」があります。論語は人としての生き方、算盤はビジネスや経済活動を指します。渋沢はこれらを融合させることで、経済活動においても人間らしさを失わず、全体の利益を追求することができると考えました。社会や組織の中で一つの価値観を押し付けるのではなく、多様な価値観を包含することが大切だと述べています。

渋沢財閥が存在しない理由

渋沢栄一は多くの企業を育てましたが、自らの財閥を形成することはありませんでした。彼は公益を最優先に考えたため、自身の利益を追求するための機関を持たなかったのです。この考え方は、現在でも多くの経営者や企業に影響を与えています。そして、渋沢の人柄も大変温かく、どんなに悪い人でも善に導こうとする姿勢を持ち続けていました。

視聴者の反応

視聴者の意見は、渋沢栄一の「論語と算盤」が現代人にとって必読であるという声を始め、その思想が令和の時代でも輝くものであることを評価するコメントなどが見受けられました。また、元サッカー日本代表の岡田武史氏も推薦していたという話もあり、この本の影響力が広範囲に及んでいることが伺えます。渋沢栄一という人物が、正しいと思って行動しつつも他者の意見を尊重し、間違いを認識すればすぐに修正できる人間であったことに感銘を受けたとの感想も多く見られました。そして、視聴者の中には「ピボット（事業の方向転換）」というビジネス用語に触れて渋沢の考え方を現代の企業経営にも応用している様子が窺えます。最後に、チャンネル登録や高評価のお願い、アプリでの広告なしのバックグラウンド再生が可能であるという情報が含まれていました。

※引用元
チャンネル名：PIVOT 公式チャンネル
動画タイトル：【渋沢栄一は何を作ったのか】論語と算盤という考え方／信用で回す経済／協調と競争のバランス／資本主義と合本主義／公益の追求／情に厚い人柄／「渋沢財閥」がない理由／成功ばかりではなかった【作家 守屋 淳】